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このところ何やかやと忙しくしていて読書が疎かになっていた。毎月購読している歯科の雑誌、「歯界展望12月号を」を先日やっと読んだ。その中に「日本の歯科を考える」という座談会記事が掲載されていた。その記事中、石川県で開業されている船渡彰芳先生が発言されている言葉に目を覚まさせられた。 記事を転載すると『私は信用と信頼とは違うものだと考えており、信用は「信じて用を足す」という意味で、信頼は「信じて頼る」ものだと言えます。多くの歯科医院は信用歯科であり、患者さんは「そこでいいや」と用を足しに来院されるのですが、信頼歯科では「この先生でなければならない」と考えます。つまり、その患者さんにとっては唯一無二の存在になるわけです。しかし信頼歯科となるためには、研鑚してラーニングステージを上がっていく必要が有ります。・・・・・』とあった。 私自身今まで来院される患者様には感謝しつつも、その様に信用と信頼をあまり意識しないで30年間開業医としてやってきたが、この文を読んで腹にすとんと落ちるものが有った。私の医院に来ていただいている患者さんの多くは信用して来ていただいてはいるが、果たしてどのくらいの患者様が「さいだ歯科医院」や「私」を信頼して来院していただいているかと考えた時、はなはだ心もとない気がする。 先日医科の先生と話していたら「おい齊田先生 2・6・2、3・4・3を知っているか」と聞かれ何の数字か判らにと答えた所、「医科が2・6・2で初めの2は良く流行っている医院、6は普通の医院、2は少し経営が厳しい医院だ」と言う。また「3・4・3は歯科の数字だ」という。「歯科はかなり経営的に厳しいらしいな」と言われ、さも有りなんと思った。 そんな中、株式会社船井総合研究所が送って来たパンフレットに驚愕の記事が有った。それにはこれからの少子高齢者社会における患者の受診予測のグラフが載っていた。厚生労働省による1984〜2008年までのデーターを基に2035年までの予測を見ると、外来に来院することが困難な層が増加すると同時に外来通院可能層が大きく減少するために20年後の2035年には外来患者は今よりも3割減少、さらに外来対象者のう蝕(虫歯)有病率が3割減るので20年後の補綴(かぶせや入れ歯を作る事)の件数は現在の約半分になると書いてあった。 そういえばつい最近、広島県の子どもの虫歯割合が10年連続で全国平均よりも少ないという新聞記事が載っていた。確実に虫歯は無くなってきている。この様な状況下で「さいだ歯科医院」が地域の皆様に愛されながら存続していくためにはどうしても「信用歯科医院」から「信頼歯科医院」への脱皮が必要になる。まだその方法は見つからないが代替わりをした息子の新院長と共に常にそのことを考えながら仕事をしていかなくてはならない。
2016年01月24日
少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今回の年末年始はいつもと違って大変あわただしかった。というのも院長交替をしたため「さいだ歯科医院」の廃業・新規開設の為の官公庁に出す書類作成で私と息子は多くの時間を費やした。 「さいだ歯科医院」は法人ではなく個人立の診療所の為、名義書き換えだけでは済まなく、いったん廃業そして新規開設という手順を踏む必要が有った。 まず管轄の保健所に出す書類、特に新規開設の書類には多くの添付書類が必要で、中には昭和61年に診療室を立てた時の建築基準法及び消防法に基づく検査済み証の写しなどがあり、それを探すのも大変であった。そして保健所に3部提出し受理してもらう。その1部を添付して広島の中四国厚生局に廃業・新規開設届け、さらに種々の添付文章を出す。不足の書類や、一部間違った所も有ったがその場で訂正したりして無時受理してもらう。さらに広島県庁で被爆者一般疾病医療機関辞退届と新規指定申請書を提出。また日を改めて尾道市役所に出向き、生活保護指定医療機関廃止届と新規指定申請書を提出してとりあえず診療所としての手続きは完了した。次は従業員の方々の引き継ぎの為の書類である。 廃業・新規開業という事で健康保険証、厚生年金、雇用保険の事業主変更手続き等多くの書類作成が有ったがほぼ昨日までに終了し今ホットしているところである。 息子が新院長になった事で従業員の皆や、沖縄の長男、取引先、彼の友人達からお花が届けられ、待合室は今最も華やかである。 そんなこんなで年末年始を過ごしたが、その中で2つほどエピソードを上げれば、12月30日朝8時に墓掃除に行ったが、朝の冷え込みが厳しく周りは霜が一杯であった。墓石に水を掛けるとすぐさまその水が氷になる程であった。その足で家内の家の墓所に行ったところコップの水が凍って盛り上がっていた。水は4℃の時体積が一番小さくなると中学時代に習ったが実際に氷になって体積が増加するのをこの目で確認したのは初めてで驚く。 1月1日には初詣で持善院に初めて参拝した。ここのご住職が高校の後輩で昨年私達16回生が卒後50周年のホームカミングに当たり、お世話してくれた39回生の代表をされていた。打ち上げ会の時「お正月に切り絵を初詣の方にお配りする」とお聞きしていた。たまたまNHKのニュースで彼が切り絵を作成している所が放映された事も有り出かけた。干支の申をモチーフにしたもの等有ったが私は一般向けの宝船の切り絵をいただいた。見事な出来栄えに感心した。 新しい「さいだ歯科医院」が動き始めて1週間で有るが何とか順調に滑り出しているようである。息子の経営手腕を口出ししないで横でじっと見ていようと思う。
2016年01月10日