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10/13 令和t7年度北部圏域ネットワーク(医療・連携連携)会議
09/21 腎癌切除の道のり PART 2
09/21 腎癌切除の道のり PART 1
08/11 初めてのドイツ旅行 PART 10
08/11 初めてのドイツ旅行 PART 9
外部グログ

大先生(元院長)のブログ

禁煙講義

 私は栗原中学校の歯科校医をしている。歯科検診や学校保健委員会に出席して生徒の健康維持に一役買っている。その他に保健体育の授業1コマをいただいて、毎年「本当は怖いタバコの話」と題して中学1年生を対象に講義をしている。講義は毎年夏休み前に行うことにしている。これは以前、夏休みに生徒達の生活リズムが乱れてタバコに手を出す事例が見られていた。そこで10年ほど前から夏休み前に講義をし、出来るだけそういうケースをなくすことにした。今年も7月12日に行う予定で準備していたが、西日本豪雨による長期間の断水で学校が臨時休校となり出来なかった。この度やっと時間割の目途が立ち講義を実施することが出来た。
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 講義内容はタバコを吸うことによって体中に起こる病気などのリアルな写真などを見せながら進めていく。例えば肺がんで亡くなった人の真っ黒に汚れた肺臓の写真、口腔内に発生した癌、さらには脱疽(バージャー氏病・別名たばこ病)で切り落とした足などの写真を示し、出来るだけタバコの怖さを理解して貰う様にしている。本来教育とはよく「北風と太陽」の話に例えられ、太陽のような気持ちで話すのが良いとされている。しかしタバコの話に関しては太陽の話では効果がないと考え北風のように喫煙がもたらす恐ろしさをメインに話しをしている。とにかくこども達をタバコに近づけないようにすることが一番である。
 さらに喫煙をすることで運動能力が落ちたり、学習能力が減退すること、寿命が短くなることなどを交え、更に女子生徒の為に、妊娠中に喫煙をすることにより生まれてくる赤ちゃんに害が及ぶこと等を話す。
 そしてわが国の受動喫煙防止対策は今迄「分煙」しか行われておらず、世界最低レベルであり、今年の世界禁煙デーのポスターにも受動喫煙防止が呼びかけられている。そのこともあり2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて今年7月健康増進法の改正に伴い受動喫煙防止が法的罰則を伴って改正され、少しだけ世界標準には近づいたことなどを話した。
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 またタバコを吸うように誘われたりしたらどのように断ったりするのが良いか等を話し、タバコを吸う人と吸わない人の経済的利益について動画で示した。
最後のスライドに中国の古典「孝経」に出てくる「身体髪膚これ父母に受く、敢えて毀傷せざるは孝の始めなり」を出し、その意味するところは「みなさんの身体は内臓から髪の毛1本、皮膚まですべてお父さん、お母さんから有難く頂いたものである。それを自分から傷つけることはお父さんお母さんを悲しませることになる。だから自分から敢えて身体を傷つけることをしないことが親孝行の始めで有る。どうかタバコなどに手を出して病気になったりすることはやめましょう。」と締めくくった。全員メモを取りながら熱心に受講してくれた。
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 ところがタバコを吸うことは悪いとタバコを悪者扱いにしてきたが、11月7日の日本経済新聞に面白い記事が有った。これから冬に向いインフルエンザが流行する恐れがあり、そろそろ私もワクチンを接種しようと思っているが、そのワクチンの新しい製造法の記事があった。従来私の記憶では鶏卵を使用してワクチンを製造していたが、製造に1年以上かかる。そのため、毎年どの型が流行するか予想して前もってワクチンを製造し備えている。ところが予想が外れることも珍しくない。今回新しく開発された方法はタバコの葉を使う方法でタバコの葉にウイルスの型と同じ遺伝子を組み込んで製造するものであり、1ヶ月でワクチンが製造出来る。これだと予想していた型と違うインフルエンザが流行しても急いで造れば間に合う。画期的な方法である。
タバコが悪者だとこき下ろしてタバコの葉にとっては肩身の狭い思いをさせていたが、このワクチン製造の話を知るとタバコの葉の肩身の狭さも少しは和らぐのかな。

2018年11月11日

歯科医師認知症対応力向上研修を受けて

 先日厚生労働省の「認知症施策推進総合戦力(新オレンジプラン)」の取り組みとして、広島県より県歯科医師会が委託を受け、認知症診療の基本的な知識・技術の取得及び認知症患者やその家族を支援する方法の取得を目的として、「歯科医師認知症対応力向上研修」が実施され受講した。
 時々認知症の患者様を診療することもある。しかし恥ずかしいことだが認知症についてはほとんど知らなかったことをこの研修を通して学んだ。恐らく多くの歯科医が私程度の認識しか持ち合わせていないためこの様な企画が為されたと思っている。
 研修は3部構成で、第1部は「連携と制度」と題して行政担当者から説明を受けた。広島県では高齢者の認知症患者は平成27年には約8万1千人、平成37年には10万8千人になると見込まれ、認知症対策は急務であるとのこと。
主な取り組みとして
1, 認知症に関する正しい知識の普及と早期診断・早期対応のための体制づくり
2, 認知症の容態に応じた切れ目のない良質な医療・介護の提供 
3, 若年性認知症施策の強化
4, 認知症の人と家族等に対する生活支援・地域支援の充実が
挙げられている。
 地域包括ケアシステムをもとに各種のサービス提供が準備されている。
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 第2部は広島県認知症サポート医である土井内科神経内科クリニック院長
土井 光医師より「基本知識」を講演して貰う。もの忘れをするとか、場所が分からなくなって徘徊するのが認知症だという程度の知識しかなかった。脳の障害場所によって認知症の種類が分類され、それぞれ症状が違うことを初めて知った。アルツハイマー病の症例、血管性認知症の特性、レビ−小体認知症の症例、前頭側頭型認知症の症例などの提示が有り、更に若年性認知症の特徴などについても習う。またスライドの中に「家族が認知症を疑うきっかけとなった変化」と題するスライドがあった。私は家内と2人暮らし、しかも私も家内もそろそろ認知症が始まってもおかしくない年齢に達してきており、この変化をお互い観察しながら自分たちの認知症を発見していきたい。
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またアルツハイマー病予防に地中海式食事や日本食が良いことも聴いた。
 第3部は「かかりつけ歯科医の役割」と題して広島県歯科医師会介護・福祉医療部の藤田 友昭先生が講演をされた。
歯科にとって認知症患者を扱う事は一種の特殊性があり認知症の進行過程に応じた対応などが重要となってくる。
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認知症のステージにあった対応と言うことでDVDを見て研修する。例えば認知症が疑われる患者さんが受付で予約カードと保険証を出した時、受付が保険証を確認してすぐ返したにもかかわらず、それを忘れて保険証を返して欲しいと言われるケースや、 医療者が今日は前回の続きの治療をしますと言っても患者さんが前回の治療内容を忘れてしまい何のために来たのか判らず不安になっているケースや、 治療台に座って治療を待っている間、受付の方でスタッフ同士が話している声が聞こえてきて、自分の噂をしていると思い込み、怒ってもう帰ると言い出すケースなど、実際に歯科医院で起こるであろうケースを提示しながら話していただいた。これらのことを踏まえ、「さいだ歯科医院」でも十分に対応できる体制造りを急がなくてはと思った。

2018年11月01日

新型「創世水生成器」導入

 さいだ歯科医院では平成9年9月に「創世水生成器」を導入した。水道の水を「創世水生成器」に通すことで得られる創世水は、洗浄力が高く洗剤がいらないとか、還元力を持った水なので酸化を防ぐとか、活性水素を含むため体内の活性酸素を中和することにより体に良いと言われ、健康に関する仕事をしているのだからと思い、存在を知ってたった1週間ほどで導入に踏み切った。世間の人から見ればそんな話だけで高価な機械を導入するなんておかしいのではないのかと思われるかも知れない。
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 導入後体験したことは、確かにお風呂に入ると水分子集団(クラスター)が小さいことより水が滑らかですごく軽い感じがした。還元力については通常輪切りにしたリンゴを少し空気中に放置すると切り口表面が茶色に変色するが、切断面を創世水で洗うと放置しても変色しないことからも理解できた。更に洗浄力については、石けんを少し付けて手を洗うと何時までも手がぬるぬるして洗浄効果が持続する。さらに歯科治療では歯を削ったり、うがいをしたりと多量の水を排出するが配管の目詰まりが少ない。また患者様がうがいをしたついでに飲まれたとき「まろやかで美味しい水だ」と仰って貰ったりした。
 その後、色々のデターが集められ、抗酸化酵素SODの活性化を表すSOSAの規格化値がなんと199%で、クラスター値は最小レベルの68、界面活性力は水道水の2.3倍と示された。脳梗塞や脳腫瘍、糖尿病などに良いとされている。
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 今迄に1度性能UPの改造をして貰ったが、今年になって更に能力をアップした後継機が生産販売された。今迄21年間も使用しておりガタが来ているのではないかと思い、医院長の息子と相談して、先日新しい機種を取り付けて貰った。まだ取り付けたばかりで性能向上の実感は明白ではないが水はまろやかさが増して美味しい感じがする。
設置しているとき、創世ワールド株式会社の社長さんからお花とミッキーマウスのお人形が届いた、受付カウンターに飾らせて貰う。
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 ところで長野県上田市から新機種を運んできた車の車体に「この車は燃料の半分は水で走っています」と書かれている。懐かしい文字である。今年の3月12日に創世ワールド株式会社の敷地内にある子会社の「深井総研株式会社」を訪問したとき見た車である。3月15日の私のブログ「水の力で走る車」で紹介したものと同じシステムで走る車であり、創世水(創世フューエルウオーター SFW)と燃料のガソリンを混ぜて走る。
 今回導入した創世水生成器種を使用して長時間同じ水を循環させてやるとほぼ同じSFW水が出来るらしい。この様に実際に実用化されて走っているのに相変わらず日本の自動車会社はつれない素振りのようで、海外のメーカーさんの方が熱心に導入を検討しているようだ。日本の自動車製造会社には色々利権が絡んでいて身動きとれないのかも知れないな。

2018年10月21日

薬九層倍

 9月29日の日本経済新聞1面トップ記事を見てびっくりした。見出しには「超高額医薬品迫る『第2波』」とあり、白血病薬1回5000万円年内にも上陸とある。
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 超高額医薬品の先駆けとなったのは2014年、日本の小野薬品工業が発売した皮膚癌用・抗がん剤「オプジーボ」。当初価格は100r73万円で1年間の投与で3500万円かかっていた。保険適用された時はずいぶん高価で保険財政がどうなるのかと思った。現に健康保険組合が悲鳴を上げ2017年2月に厚生労働省は急遽半額に引き下げた。その後肺がんにも効果がると利用が広がり、医療費が圧迫されているとして、2018年4月とこの11月にも再度引き下げられ、100r17万円と発売当初に比べ76%も安くなる。しかしこの『オプジーボ』の場合は日本のメーカーだからこういうことが出来たのかもしれないが海外の薬ではどうなるのか判らない。
今回の白血病薬「キムリア」はスイスの製薬大手ノバルティスが開発したものでその作用機序が新しく画期的な薬で、小児・若年性の急性リンパ性白血病が対象であるとのこと。ただ5000万円の薬価はがんの治療費として非常に高額だ。新聞記事によると患者負担は年収370万〜770万未満の人の場合、月に約60万円で済み残り4940万円は保険から給付されるとあった。
 卑近な例で申し訳ないが日本の個人立歯科診療所の1年間の売り上げ平均は中医協の医療経済実態調査結果によれば平成28年度3922万円である。1年間、一所懸命従業員共々頑張って働いたとしても白血病薬「キムリア」1回の投与費用にも及ばない、いかに高額か身にしみて感じる。
 このほかにもリンパ腫治療薬「イエスカルタ」が4200万円、遺伝性網膜疾患治療薬「ラクスターナ」は両目で9600万円。近く日本に上陸すると書いてありこれらが保険適用になれば健康保険制度は破綻するのではないかと危惧していた。
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 そんなおり、10月1日夕刻に「オプジーボ」開発の先駆者で京都大学名誉教授の本庶 佑博士が今年度のノーベル生理学・医学賞を受賞したというニュースが飛び込んできた。驚きであり素晴らしいと思った。博士の研究で癌治療の新しい分野・免疫療法が開かれたとニュースでは報道されている。日本の底力を感じて嬉しく思った。
 ところでバイオテクノロジーで作られるこれらの新薬はどうしても高価になる。これによって救われる患者も多いが残念ながら現時点で100%有効と言う事は無く、費用対効果についても議論が開始されている。現にイギリスではリンパ腫治療薬「イエスカルタ」は高すぎると言って公的医療保険から外すなどしている。日本では「人の命は地球より重い」と言う考えも有り、命に値段を付ける様な議論は抵抗感も強いとのこと。そのため保険適用される可能性は大である。しかしそれにより健康保険制度が破綻したとき困るのは大部分の国民であり、「最大多数の最大幸福」を選ぶのか「癌患者の命を救う」方を選ぶのか本当に難しい選択を迫られ、真剣な議論が必要になるだろう。
 もし私が5000万円とか9600万円のような高価な薬を使用する病気にかかった場合、その薬を使用すべきかどうか考えさせられる。71歳という私の年齢を考えた場合、病気が治った後どのように社会貢献が出来るのかを考えるとクエスチョンがつく。おそらく何も役立たないのであろう、そうであるならば高価な薬を使わないで公的健康保険を守る方に荷担するのがよりお役に立つのではないかと思う。
 ところで今回のお題目「薬九層倍(くすりくそうばい)」と言う言葉は「薬の値は原価にくらべて非常に高く、暴利をむさぼっている」と言う意味だが、日経の記事に書いてある事が当てはまるのかどうか判断しにくい。読者の判断にお任せします。

2018年10月03日

歯科医療が未来を変える!

 先日、日本歯科医師連盟から「歯科医療が未来を変える!」という歯科医療啓発用リーフレット第2弾が送付されてきた。同時に日本歯科医師連盟の高橋会長が安倍首相を表敬訪問しスペシャル対談を行った広報紙も送られてきた。そこには会長が安倍首相にこのリーフレットを使用しながら説明している写真が掲載されていた。
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 昨年2月には第1弾として「歯科医療が日本を救う!」と言うリーフレットが作成されている。1弾・2弾とも継続的な歯科検診が健康寿命を伸ばし、高騰する医療費の削減に役立つことを述べている。
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とりわけ今回は、継続的な歯科検診の受診が健康な歯を残し、医療費の高騰を抑制しつつ健康寿命を延ばすことが出来るとし、超高齢社会を迎えている「わが国の未来の医療・介護は歯科界が変えていく!」と言うコンセプトで作成されていた。人生100年時代が近づいてきており各種の統計データーを駆使し継続的な歯科検診の有用性を説明している。
 「歯科検診を長期継続することで歯の寿命は伸びる→歯の本数が多いと1人あたりの医科医療費が下がる→歯の本数が多いと要介護期間が少ない(健康寿命が延びる)→歯科検診で医療・介護を守る」と言う流れになる。
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 歯が残ることによって、しっかり噛めるため転倒リスクが減り寝たきりが防げる。残った歯を口腔ケアで予防することで誤嚥性肺炎を予防する。また歯周病菌が認知症の誘発や病状悪化に関係する事から口腔ケアをすることで予防が出来るなど。とりわけ近年、歯周病が癌・糖尿病・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞などのリスクを増加させることが明らかになった。
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 今迄は医科の病気は医科だけ、歯科は歯科だけというふうに分けて考えられていたが、そうではないことが判りこれから大いに歯科からのアプローチが必要である。このリーフレットはまさに患者さんへの説明資料として大いに役立つものと思われる。
 さて公的な歯科検診についてみると妊婦歯科健診から始まり1.5歳児、3歳児歯科検診、保育所・幼稚園、小・中・高での学校歯科検診、そして社会に出ると企業任せとなっていたがここ何年か前から各自治体が40歳から10歳刻みで70歳までの歯周病検診が実施されてきた。ところが尾道市では先進的な取り組みとして3年前から35歳から5歳刻みのきめ細かい検診事業が行われるようになり市民にとっては健康の保持・増進に寄与することになっている。今年は10月1日から11月30日まで歯周検診が行われる。該当される方は是非とも受診をお勧めします。
 ところで70歳以上の方の歯科検診は昨年まで無かったが、今年から広島県が75歳の後期高齢者にも検診を開始することになった。この様な事業が全国の自治体で開始され、更に80歳以上の人にも拡大されるとなお良いのですが。

2018年09月15日

秋を探して

 2日の日曜日、秋を探そうと出かけた。北の方に秋があるのではと思い「みよし風土記の丘ミュージアム(広島県立歴史民族資料館)」に行った。途中、田んぼは黄色く色づいて稲刈りが行われている田んぼもあった。しかし今年は暑く残暑も厳しいせいかコスモスなどの花を見ることはなく秋が探せないのではと感じた。
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 「みよし風土記の丘ミュージアム」では、7月6日から9月2日まで、「開運!なんでも鑑定団」でおなじみの「ブリキのおもちゃ博物館」館長北原照久氏の「お宝発見!北原コレクション展」が開催されていたが正に最終日で有った。
 早速中に入ると懐かしいおもちゃや広告ポスターなどが展示されていた。鉄人28号や、小さなパーツと一緒に昭和時代が作り込まれたジオラマ等が展示されていてずいぶん心をわくわくさせながら見学した。
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 現代アートコレクションのコーナーに山口孝幸作「THE BRAVE」と言う「おそるおそるネコを治療しているネズミの歯医者さん」という作品が展示されていたが仕事柄興味を持ってみた。日本のおもちゃだけでなくアメリカのおもちゃなどもあり興味津津である。
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 その後別室の常設展示されている「ひろしまの原始・古代」の展示場を見て回った。
最初、学芸員の方から三次地方の旧石器時代から古墳時代までの様子を説明して貰う。色々出土した石器や土器、鏃、刀剣、鎧などを見ると時代が新しくなるに付け、武器類の出土が多くなっている。
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 以前、本か何かで縄文時代1万年間は争いがなかったと読んだことがある。縄文時代は採取・狩猟の時代で自然からの恵みで生活していたので争いがなかった。ところが農耕が始まると、汗水垂らして耕した畑は自分のものだという所有欲が出てきて土地の争いが始まり戦争が起こったとか。
 ところで三次には広島県内の古墳の約1/3が集中していてびっくりである。
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 「矢谷墳丘墓」からは巨大な特殊器台・特殊壺が出土している。これは弥生時代後期に吉備南部(岡山県南部)で生産されたもので、はるばる三次盆地まで運ばれたものである。古墳時代の円筒埴輪の起源であると確認されている。またこの古墳からはローマ帝国から伝わったと思われるガラス玉も出土していた。
 さらに古墳時代には三次地方は出雲国に属するか、吉備国に属するかの選択が迫られ、古墳の中から両地方から伝わった土器や埴輪が多数出土している。
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 展示物見学後、屋外に出て七つ塚古墳群などをみる散策コース歩いてみた。途中復元された竪穴式住居を観たりする。昔、小学生の時の社会の教科書に静岡県登呂遺跡の復元された竪穴式住居の写真が出ていたのを覚えているが、実際に観るのは初めてで感動した。
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 その後「七つ塚古墳群」を観た。大きいのも小さいのもあるが第9号古墳は資料によると全長29.5メートルだがはっきりと前方後円墳の形態をしており大感激である。
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散策コースの最後に古代たたら跡のところに萩の花が咲いていてやっと秋を見つけることができた。有意義な1日を過ごせた。

2018年09月05日

初めての徳島と阿波踊り

 8月11日に「第65回全国歯科大学同窓・校友会懇話会」が徳島大学主幹で行われた。何故か今迄、徳島の地には足を踏み入れたことが無く、尾道から新幹線、岡山からマリンライナー、高松から特急を乗り継いで到着。瀬戸大橋は車では何度か渡ったことが有るが、列車で渡ったのは初めてであった。ただ景色は橋脚や構造物が邪魔をして見えにくく車で渡る方が良いと思った。
 12:30より会が始まり今年の講演会は国立大学法人 徳島大学大学院医歯薬学研究部(法医学分野)の西村明儒教授による「大規模災害時の死体検案活動について」と題してご講演をいただいた。
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 1995年阪神淡路大震災で初めて日本法医学会主導の専門家派遣がなされ詳細な死因調査がなされた。連休明けの早朝、ほとんどの人が自宅で就寝している状況で発生していたため崩壊した住宅の下敷きで死亡するものが多く個人識別は比較的容易であった。当時、個人識別は、容貌や身体的特徴、着衣、所持品、レントゲン写真や歯科治療痕、指紋、足紋等を指標として行われ必要に応じてDNA検査が実施された。その経験をもとに専門家派遣体制が整備され2011年東日本大震災での対応に受け継がれた。先生は両災害に出動され活躍されたとのこと。先日も平成30年7月豪雨災害が起こり200名以上が亡くなられている。今後起こると言われている南海トラフ巨大地震ではより多くの方が亡くなられると予想され、身元調査が重要となるとのこと。近年DNA鑑定検査法が急速に進歩して来ているが、高度焼損死体や腐敗の著しい遺体ではDNAの抽出が困難な場合が有り、歯科の治療痕の必要性は揺るがないとのこと。とりわけ歯牙の中にある歯髄がDNA鑑定に役立つとのこと等を語られた。
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懇親会後、徳島大学歯学部同窓会の配慮で阿波踊り前夜祭を観覧することが出来た。
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 阿波踊りはTVのニュースなどで観た事があるだけで、踊り子さん達が目の前で踊っているのを観るのは初めてであった。6月頃から阿波踊りがもめていることを聴いていたが、前夜祭会場は熱気に包まれていた。本番は翌13日から15日までの4日間徳島市内の路上で行われるが、前夜祭は「アスティとくしま」で行われた。私の席は舞台から5列目で非常に良い席であった。
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 前夜祭に参加された踊り子さんは各「連」から上手な人が選抜されて出ているとのこと、総勢600人が出ておられ、最後の総踊りは圧巻であった。本当に良い経験をさせてもらった。
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 その後徳島県在住の後輩達が一席設けてくれ色々の話が出来て良かった。
        IMG_20180815_0001.jpg-1.jpg  ところで、12日に帰って来て「日本経済新聞」を読んでいたら、昨日私の観た前夜祭の様子の記事が載っていた。400年もの歴史のある阿波踊り決して消えることの無いように続けて欲しいものだ。

2018年08月15日

今年3度目の札幌

 大学の父兄後援会「中・四国支部長」を20数年間つとめているが「全国支部長会議」という名目で毎年1回札幌に出張がある。ところが昨年9月から北海道医療大学歯学部同窓会の副会長になり、札幌に出向く回数が増え今年はすでに3回出張、更にもう1回予定がある。
 7月14日断水騒ぎのなか札幌に向かったが、広島空港内のお土産屋や食堂は閉まったまま、またトイレの使用も節水が叫ばれていて少し異様な感じがしていた。しかし8月4日に行ったときは出発ロビーのお店も開店していて賑やかさが戻っていた。
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 普通、人は札幌出張と聴くと心ときめくかもしれないが私の場合、札幌出張をしても味もすっぽも無い。一泊2日の出張で、土曜日に行って夕方会合に出席、翌日とんぼ返りで観光などすることも無い。ただ帰りの飛行機が15:05のため数時間の余裕があり、朝チェックアウト後、ホテル近くにある赤レンガ造りの北海道庁旧本庁舎の建物を見て、構内の池などを散策する、その後大通公園に出てテレビ塔を観ながら散策、そして時計台を見て札幌駅に帰るのが一般的である。時に友達と会ったり、札幌駅にある映画館で映画を1本見て帰ることもあった。
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連日35度を超える広島から見ると札幌の気温はありがたさを感じる。4日の14時過ぎの気温が23℃で歩いてもほとんど汗は出なかった。今回は同窓会の理事会に出席し、2次会の設定もなくそのままホテルに引き上げ寝る。翌朝例のごとく道庁に行く。たいていは正面だけ見て帰るのだが、今回初めて赤レンガの建物の裏側にまで足を伸ばす。
ゆっくり見るとこの建物の素晴らしい造作に驚く、構内に建物の歴史的説明があった。また北方領土の返還は道民にとっていや日本国民にとっての悲願であるがそのことを記載した案内板もあった。
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 今年は明治維新150年、また北海道命名150年でもある。記念式典の案内ポスターが道庁の庭に掲示されていたが天皇・皇后両陛下が記念式典にご臨席されたことが6日の中国新聞の記事に載っていた。
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 新千歳空港からエアポートライナーに乗って車窓から外を見ると一面「じゃがいも畑」などが見える。その畑の脇にはまだ手つかずの森などがあり、150年前はすべてが原始林でそれを開墾して今の畑になったことに想いを馳せると先人の努力に頭が下がる。以前、吉永小百合主演の映画「北の零年」で開拓の様子が描写されていたが実際はもっと過酷では無かったのだろうか。
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大通公園はこの時期お花で飾られ見る人を楽しませてくれる。
それから時計台の方に回る。7月14日にきたときもそうであったが、現在改装工事中で閉館状態。屋根や外壁等の塗装が劣化していることから塗り替え工事などの外部工事が6月1日から10月31日までの予定で行われている。時計台は工事用のシートですっぽり覆われているが、粋なことに正面のシートには時計台の等身大の写真が貼られており、あたかも時計台がそこにあるように見える。観光客に配慮したのであろう。工事中でもそこに時計台が有るように写真撮影などで楽しむことが出来る様だ。
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結局1時間半くらい散策後新千歳空港に向かう。空港はいつものように多くの観光客で賑わっており、中国系、韓国系などの外人観光客が目立つ。また日本ハムファイターズのグッズを売るイベントなども有った。カープファンとしては買う気にはなれなかった。
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孫の土産を買い早々にチェックインして搭乗口のイス席で待つ。翌8月6日の原爆記念式典に参列されると思われる小学生の一団や大人の人たちもかなりいたようである。
広島空港に着いたとたん汗が吹き出してくる。やっぱり広島は暑い。
あと1回行かなくてはならないな。

2018年08月10日

河合雅司著「未来の年表2」を読んで

 昨年11月16日のブログで彼の「未来の年表」の事を書いた。それは少子高齢化が進んでいく国家の未来が書かれており、読んだとき強烈なパンチを食らった感がし、お先真っ暗な感覚になっていた。今回その第二弾と言うべき「未来の年表2」が発売され新聞広告で見ていたが、ばたばたしていて買いそびれていた。反響が大きかったのであろう、たちまち増刷され、7月6日の日本経済新聞に広告が載りその後数日でまた広告が出た。慌てて購入し一気に読んだ。
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 この2作目は「個人の未来図」とあり、副題に「人口減少であなたに起きること」とかいてある。どのページに書いてあるものも衝撃の一言に尽きる。
巻頭にカラーで付けられた「人口減少カタログ」はユニークで、少子高齢化や人口減少によって起きるであろう事を、家庭、職場、地域社会といったトピックスに分けて18事例を絵入りで紹介している。たとえば16番目の事例に「流木から逃げまどう」というのが有る。まさに先日の豪雨災害でも山から流木が流れてきて甚大な被害をもたらしたが、これとても少子高齢化で林業に従事する人が高齢化し、新たに従事する人も少なく伐採などもされずに放置された事が原因である。
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 6番目の事例「甲子園出場を決めたが校歌で仲間割れ」と言うのがある。少子化が進み高校野球でも1校だけでは選手が集まらなく他の高校の選手を集めて試合となる。現に2017年の鹿児島県の秋季野球大会で7校の選手が各高校のユニホームを着てオールスター戦さながらに合同でチームを編成し試合をした。もしも甲子園出場が決まればどこの学校の校歌を歌い、どこの校旗を掲げるのか・・・と余計な心配をすると書いてある。
 人生100年時代に突入してくると高齢者が町にあふれ出す。、12番目の事例「東京で遅刻者が続出」では高齢者の歩くスピードや、動作も遅くなり、電車の乗降にも時間がかかる。そのため東京のJRや私鉄では今のダイア通りに運行できず会社に遅刻する人が続出するとか。さらに7番目の事例「デパートの売り場が大混乱」では高齢者は動作も遅いが判断力も鈍り店員さんの説明も何度も聞き買い物の品を決定するのに時間がかかる。さらに15番目の事例では過疎化が進む地方のガソリンスタンドがどんどん廃業に追い込まれ灯油を買う事のできない人たちが増えて凍死する人が出てくるとか。火葬場は予約できてもお坊さん不足で親の葬儀が10日待ちとか、14番目の事例「ネットで買った商品が一向に届かない」では商品を配達する人が少なくいっこうに届かない。いずれ宅配事業は縮小するであろうとの予測、少子化による働き手不足は今後このような事態を招くであろう。
 18番目の事例「刑務所が介護施設と化す」では、高齢化が進むと退職時に蓄えた貯蓄なども減少し生活困窮度がます。そのためか万引きがかなりの数で伸びており、高齢の女性の場合再犯率が高いというデーターがある。一度レッテルを貼られると社会復帰は難しく娑婆での生活よりも寝床と3食が保証されている刑務所の方が良いと考える人も出てくるかもしれない。そうなると軽度の認知症の入所者がいたり、収容後要介護状態となり、入浴介助やおむつ交換が日常的に必要となりさながら介護施設となる。このため受刑者への対応が難しい事から、現在でも女性刑務官の4割が3年未満で離職している。今後女性刑務官の確保が難しくなる等など、笑うに笑えない、本当に考えなくてはならない事柄がよくまとめて書いてある。
 第2部では少子化高齢化に対応するために個々人や企業が「自らできること」・「今からできること」を8項目に分けて提案されておりユニークである。その中で4番目の「ライフプランを描く」という項目は是非結婚前の方に読んでもらうといいのではと思った。晩婚・晩産がどれほどライフプランにマイナスとなるのか、自分たちの子育て真っ最中に夫と妻の親が同時期に要介護状態となり「ダブルケア」が発生する問題、定年退職後も子供の学費が必要であれば自分たちの老後資金も蓄えられないとか・・・、
是非多くの人にこの本は読んでいただき今からでも対策を立てられるようにするのが良いのではないだろうか。おすすめ本である。

2018年07月21日

長期休診

 この度の豪雨災害(平成30年豪雨)は西日本各地に甚大な被害をもたらし今日現在で死者160人を数えている。ここ尾道でも死者1人、行方不明1人となっている。
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 7月5日から雨が降り出し、大雨警報が出る、そして6日の夕方には診療室と50メートルしか離れていない藤井川が増水し、帰宅する頃には氾濫の恐れがありと市の広報車が避難勧告に廻ってきた。診療室のある三成地区は「美木中学校」へ避難と広報していた。診療室は川の土手より少し高いところにあるので多分大丈夫だと思った。ただコンプレッサーやバキューム設備などがある機械室は低いので浸水の恐れがある。
 2年半前に息子と院長交代をし、息子達は診療室の2階に住み、私は市内のマンションに住んでいる。帰宅後、息子に電話して機械室の前に土嚢を積むように指示する。息子は20時前だったのでホームセンターに駆け込んで土嚢袋を買ってきて、嫁と二人でずぶ濡れになりながら畑の土を入れて土嚢を2段積んだと電話を貰う。外は雨が強まったり弱まったりしていて眠りも浅く何度か目を覚ましその都度外を眺める。
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 翌7日(土曜日)朝出勤したら藤井川は対岸の土手を越えて田んぼに溢れていた。川にかかる橋に流木やゴミが引っかかりそこから水があふれて診療室の方に流れてきている。また川と平行に走る側溝は溢れ、中国バスの駐車場に流れ込み更に川からの水と合流し、濁流のようになって流れてきていたが、診療室の前で南側に方向を変えて流れていたので幸い機械室は浸水を免れた。
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 幸い雨も小降りになり8時位から少しずつ水位が下がり始める。昼前には雨はほぼ止んだ。
 9時から診療を開始するが何人かの予約の患者さんがキャンセルとなる。10時半頃、SNSで尾道市全域が正午から断水になるとニュースが入ってきた。
息子は患者さんも水の確保や大雨の後片付けなどで大変だし、我が医院のスタッフも色々と対策する必要があると判断し、お昼から休診を決定。スタッフが手分けして患者さんに予約変更の連絡をする。それが終わり帰宅。
 家内に話してポリバケツや鍋、飲み終わって捨てることにしていたお茶のペットボトルなどに水をためる。20数年前に断水になった時購入していた大きなポリバケツが役に立つ。入浴してその水は捨てないでためておいた。住んでいるマンションの水は夜までは出ていたが貯水槽の水がなくなったのか8日(日曜日)朝には完全に出なくなっていた。それにしてもとんでもない七夕の日であった。
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 飲み水は確保したとしても水洗便所の水がどうにもならない。幸い診療室裏の家庭菜園に数年前井戸を掘っていたので、そこへ水を汲みに行く事として、朝から市内や近隣の街のホームセンターなどにポリタンクがあるか電話したがどこも売り切れ。今頃電話してもありませんというようなニュアンスであった。出遅れた。仕方なくポリ袋を2重にして水を入れそれをバケツで運ぶ。帰りに何軒かのスーパーに寄ってみたがどこもトイレ使用禁止、スーパーの商品棚からはカップ麺やレトルト食品、総菜品などが売り切れていた。またラーメン屋・蕎麦屋、うどん屋・ハンバーガーショップ・レストラン・居酒屋などほとんどの飲食店が断水のため臨時休業と書いてある。
 息子は福山の友達から診療用にポリタンク4杯分の水を貰い確保していた。
翌9日(月曜日)には午前中7人の患者様を診療したが予約の患者様に予約変更の電話をして昼から休診、10日は朝一番1人だけ診療し、後は全部予約キャンセルして午後から16日まで休診とした。
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 連絡をした患者様の中には「この状況で歯医者に行くのはどうかと思っていたが、連絡をしていただいて有難かった」と言われる方もいて休診にしたことが間違った判断では無かったとホットした。我が診療室でもトイレの水は患者様が使用される度に井戸から運んだ水をタンクに入れて補充していたが、手を洗う綺麗な水までは確保できない。
それより何より患者様も水の確保等で忙しいのではないだろうか。給水所で3時間待って6リットル貰ったと言う話も聞いた。またうちの従業員は全員家庭持ちで有り、家庭でも水の確保や、食料確保、コインランドリーに並んだりしないといけないし、風呂の算段もしないといけないので、少しでも従業員さんの負担を減らし、安心して貰えるために有給扱いとし休んで貰うことにした。年末・年始休業を除けばこんなに長い休みはない。
 患者様には多大なご迷惑をお掛け致しますがご容赦の程宜しくお願いします。
 なお家庭菜園の水は飲料には適しませんが、生活用水としては十分使用でます。24時間開放していますので、どなたでもご利用ください。


2018年07月11日

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